« 0233 左ヒジを曲げる話2 | トップページ | 0235 アイアンとウッドの違いに関する確信  »

元々グリップはシャフトに皮を巻き付けただけなので自然な円錐型だった。それが何時の頃からか下側に尾根が出来て握りの方向がわかりやすいようになった。こうするといつもと同じ握りの位置がすぐわかるので便利だ。皮巻きの頃は細い焼き鳥の串みたいな棒を這わせた上から巻いてあったり、コルクで形を作ってある上から皮を巻いたりした。

先日ラバーのグリップを買いに行ったら全く同じデザインのグリップに「バックライン入り」とそうでないのと両方売っていた。触っても違いがわからないし「バックライン」の意味も分からなかった。私の場合はどうせ上からテープを巻いて太くする。それで何でもかまわないから適当に買ってきて、あとでわかった。

「バックライン」というのはあの尾根のことで、今ではすべてのグリップに尾根があると思いこんでいたので気づかなかった。丸いグリップもあるのだ。本当は皮巻きにしたいのだがシャフトのグリップエンドに差し込んで蓋をするキャップが手に入らない。これがないと巻けないので仕方なくラバーグリップを使っている。

この尾根を「リッジ」と言う。だから「バックライン」がわからなかった。「バック」はいいが「ライン」ではないような感じがした。ところでリッジのない丸いグリップが何であるのか知らないが、それはとても便利だ。グリップリッジの位置を変えるだけで握った感じは大きく変わる。普通は真下にリッジが来るよう作られている。

だから素人はそれを使わざるを得ないが、グリップは、特に左のグリップは人それぞれにかなり握り方が違う。ストロングとスクエア、そしてウィークグリップと180度近く違う。真下のリッジはスクエアグリップ用にセットされている。しかしリッジがグリップの位置を知るためだけのものなら問題ないが、実際には握る力の大きさに影響する。

試しにグリップを回して一番力の入る、クラブをがっちり握れて思い切り振り回せる感じがする場所を探すと、スクエアで握るのが好きな人以外は皆今のリッジでは困ることに気づく。自分の好きな位置にリッジを持ってくると今までより劇的に打ちやすくなる。

前に書いたが、グリップを付けるときリッジの位置で迷う。「隣の芝は青い」という話をしたことを覚えているだろうか。今日はこの位置がいいと思えば次の日は別の位置がいいと思う。

何度もやっているうちに、ある位置から左右にわずか数ミリ離れた対称点を行ったり来たりしていただけだと気づいた。リッジの位置はそれほど微妙で、しかも打ちやすさを決定的にする。
リッジの付いたラバーグリップは一度差し込んだら位置を変えられない。しかしリッジのないグリップならば簡単にリッジの位置を変えられる。私はリッジを作りたい場所に麻ひもを張り、両端を瞬間接着剤で仮止めする。その上からブチルテープを巻けばリッジが出来る。普通の人はグリップが太くならないよう、薄目のテープを巻けばいい。

ゴルフグリップ用のテープはないと思うが、テニスでは皮のグリップがなくなってシンセティックな合成皮革になって以来、汗取りのためにグリップテープを巻く人が多いのでいろいろ売られている。

その中で一番薄いのを巻けばさほど太くならない。それでも気になるならラバーグリップそのものが細くできているのを買って、それを差した上から巻くといい。

女性はストロンググリップのゴルファーが多い。多いどころかほとんどストロングだ。だからスクエア用では力が入らないし握りに安心感が出ない。メーカーは売れるクラブを作りたい。買うかどうかはお店で手にとって握ってみてしっくり来るかどうかが鍵だ。

昔ヨネックスに頭のいい奴がいた。テニスラケットを出荷する際普通はグリップに汚れ防止用のセロハンを被せる。ヨネックスはそのセロハンをやめた。そうすると店頭でいろいろ握ってみる客は一番握りの感触がいいのを買うから当然ヨネックスが売れる。

セロハンの上から握るとしっくり感がなく打ちにくいラケットのように感じられるが、じかにグリップを握ると断然違う。女性用のクラブにストロンググリップ用のリッジをセッティングすれば、店頭で握ったとき、ほかのどのクラブよりも打ちやすく感じられるから売れるはずだ。

友人に頼まれてオデッセイというパターのグリップを交換したとき、私は友人にどの位置に差したらいいかと聞いた。パターのグリップは親指を乗せる平らな部分が真上に来る。それがスクエアだからだ。

しかし引っかけを防ぎ、握ったときの感触をよくするためにはやや開き気味に取り付ける。つまり平らな部分が正面より少しだけ左を向くように付ける。回転で言えば反時計回りに5度ほど回したところに平らな部分を持ってくる。

それが私の流儀だが、オデッセイのグリップもわずかに、誰も気づかないくらいわずかに左に回っていた。それで友人にスクエアに差すか前と同じように差すか聞いたのだが、私の言っている意味が分からないようだった。オデッセイは巧妙で実に賢い。

ウッドやアイアンのグリップリッジの位置は、左手の握り方に合わせて確実に正確に計算されていなければならない。それらのクラブはフルショットもするのだからパター以上にリッジの位置が大切だ。とにかくまず今持っているクラブを目をつぶって握り、一番しっくり強く握れる位置を探す。ただしこのとき絶対にヘッドを持ち上げてはいけない。

ヘッドを持ち上げるとヘッドのトルクが出てきて最適なリッジの場所を探す邪魔になる。だからヘッドは床の上に乗せて置いて調べる。本当はヘッドの付いていないシャフトだけの方がいい。自分に最適なリッジの位置がわかったらリッジのないグリップを付けてもらうか、自分で取り替え、それから麻ひもでリッジを作る。

自分でやる暇がないときはリッジの位置を指定してリッジ付きのグリップをその位置に取り付けてもらえばいいが、自分のリッジの位置が本当に確定するまでには時間がかかるから出来れば丸いグリップに自分でリッジを作る方がいい。そうすればいろいろと位置を変えて試してみることが可能だ。

スクエアグリップでもないゴルファーがスクエア用のリッジを使うのはあまりと言えばあまりに不都合で使いにくい。貧乏人が金持ちのお古を我慢して使うのはいいが、スクエアグリップが正しいグリップなのではないし、自分で買うクラブなのだから自由に選ぶべきだ。

自分に合ったシャフトの硬さを選ぶよりも自分に合った位置にリッジがあるクラブを選ぶ方が明らかに優先されなければならない。筆者

« 0233 左ヒジを曲げる話2 | トップページ | 0235 アイアンとウッドの違いに関する確信  »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0233 左ヒジを曲げる話2 | トップページ | 0235 アイアンとウッドの違いに関する確信  »