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ラケットはガットの張り具合で硬くも柔らかくも出来ると思うだろうが、ラケット自体が硬い場合、いくらガットを柔らかく張っても思い通りの柔らかなラケットにはならない。ラケットは硬い方がイメージ通りに打てるのだが、パワーがないと球速が出せないし、ヒジを痛めやすい。若いテニスンは硬いラケットを好み、年齢と共に次第に柔らかなラケットを選ぶようになる。



ヴォレーには柔らかい方が断然有利で、それはネットの近くでボールを受けるからボールの速度も速いし、ボールが打たれた地点からラケットまでの距離も短いのでボールが来るのも早いからだ。それで簡単にボールを受け取れる、いわゆる虫取り網型の方がいいわけだ。



逆にストローカーはラケットが硬くないと困る。ボールをたたいた後のリリースポイントにラケットの柔らかさが影響し、思ったところでサッとボールを放せないのでコントロールが悪くなる。したがってテニスでは、ヴォレーとストロークにそれぞれ別のラケットを使いたいと誰もが思う。



私はラケットについては柔らかい方を好むが、それは私がヴォレーヤーだからで、ストロークはソコソコの技術を使ってそれなりに打っている。硬いラケットを持つと、やはりストロークは打ちやすくなるので、思い切りガンガン打ちたくなるものだ。



ゴルフクラブに関して、私はつねづね硬いシャフトを使う方がいいと言い続けている。ラケットと逆のように思われるかも知れないが、そうでもない。硬いシャフトは思い通りに打って、思い通りの方向へ飛ぶ。ただし、ラケットと同様、パワーがないと飛ばない。ここにゴルファーとしての分かれ道がある。



年を取って硬いシャフトが振り切れなくなったからレギュラーシャフトに替えた、というような話をよく耳にする。実は、ごく最近まで、私はその意味がわからなかった。私自身は、たとえ年を取っても柔らかいシャフトに替えることはない。そういう必要が出てくるスイングをしていないからだ。



つまり、パワーが落ちて来てシャフトを柔らかいものに替えるゴルファーは、すごい技術を持っているということなのだ。シャフトの性能を使ってボールを飛ばす技術を持ち、しかもそれで方向まで安定させるというのは、私には至難の業である。だからずっと気が付かなかったわけだ。



私はただ真っ直ぐ打てば真っ直ぐ飛ぶ。シャフトが硬いから、シャフトは良くも悪くも何もしない。私のスイングに影響を与えることはない。ただひたすらスクエアにスイングしてスクエアなフェイスでボールを打つだけのことだ。パワーがないから飛ばないが、その分はウッドでカヴァーする。30才の頃にはすでにそういうスタイルだった。



クラブのシャフトは言わば細長いバネのようなものだと思う。バネはねじると元に戻るし、曲げてもまた元に戻る。バネは力を貯める。投げ釣り竿の先端やムチの先は、振ったときに恐ろしい速度が出る。それは力を少しずつ貯める能力があるからで、どんなにパワーがあっても、曲がらない棒を振ってあんな速度は出せない。



人差し指を親指に引っかけ、徐々に人差し指を伸ばす方向へと力を入れていく。しかし親指がその力を受けとめてがんばっている。ある瞬間に、この親指を外すと、人差し指が目に見えないほどの速さでピーンとはじける。親指なしで、ただ曲げた人差し指を思い切りの速さで伸ばしても、それは目に見える程度の速度にしかならない。これはバネの力と似ている。



シャフトというバネは、まずねじれて戻る。つまり、クラブヘッドはドリルの先に取り付けられたかの如く、ビーンと音を立てて回転し、ボールをたたく。もう一つ、バネは曲がる、しなるから、それが戻る力を持っている。クラブヘッドは竹を力一杯曲げて踏ん張っているような状態になっている。そのシャフトが跳ね返ってきてボールをたたく。これだけでもう、二重のパワーがボールに加わるわけだ。



私のはそうではない。曲がらない、ねじれないただの棒が、私が腰をねじって戻す力だけでボールを打っていく。だから飛ばない。しかし何の技術もなしに思った通りの方向に飛ぶ。私の方法は、だからどんなに年を取ってもパワーがなくなっても、変わり様がないのだ。シャフトはひたすら硬いままでいい。私はシャフトの硬さによってスイングを調整するなどという高等技術を持ち合わせない。今まで一度も考えたことさえなかった。



だから特に使いやすいシャフトがあるわけではない。硬ければいい。ヘッドの形状には注文が付くが、それもライ角がほとんどで、それプラス、ウッドのホックフェイスとスライスフェイスの度合いがちょっと気になる程度。反発のいいキャヴィティは使ったことがないのでわからないが、アイアンは距離さえ合えば飛距離はいらないと考えている。



そういう私も、ラケットについてはクラブと違って使いやすさの善し悪しのようなものを感じる。柔らかなラケットに硬目にガットを張ると打ちやすいのだが、試合をしなくなってレッスンばかりなので、ガットも柔らかく張っている。現在市場には柔らかなラケットは出回っていない。非常に硬いラケットしか作られていない。



テニスが完全にストローク戦一辺倒になって久しいからだが、ごく最近、ストローク戦の時代も行き着くところまで来たようで、時折ネットに出てくるプロテニスンが少しずつ増えてきている。つまり、ラケットメーカーが再びヴォレーにも対応できるラケットを模索する時期が来たと考えていいだろう。



それはつまり、柔らかなラケット、しかし過去と同じものではなく、ストローク力に出来るだけ影響しないというコンセプトで、新しい柔らかなラケットが出てくるということである。一方ゴルフクラブはどうなるだろうか。



日本人ゴルファーの人情というのが私には理解できないから、先の見通しは立たないが、前にも書いたように、パー5のホールのティーグラウンドでアイアンを持ち出すゴルファーがいる。パワーがあるのではなく、ウッドが嫌いだからだそうだ。ウッドを引っ掛けてトラブルになるより、確実に前進する方がゴルフは楽しい、と思うゴルファーが世界には幾らでもいる、ということを知ってもらいたい。



自宅のワンフロア、柔道場くらいの部屋に人工芝を敷き詰め、百本に余るパターが壁をグルッと一回り、立て掛けてある。パットイズマネーだからか、とにかくパットがスコアを作るのは確かだ。私が言うのだから間違いない。それに比べてドライヴァーイズショウというくらいで、どんなに飛んでもワンラウンドに2回か3回曲がったらおしまいだ。



私はロフトが3番と4番の間にあたる6番アイアンで150ヤードを打つ。4番アイアンと書いてあるのは調べたらロフトが13度くらいしかなく、しかも長さが41インチを越えていた。これで170ヤードを打つ。普段はウッドで打つが、風が強いときとフェアウェイが枯れているときは、たまにこのアイアンを使う。真っ直ぐ前に進んでいく、というのはゴルフで一番大事なことだから、打数を考えずに打てるクラブで打って、真っ直ぐグリーンへ向かって歩く。



こういう考え方でゴルフをするのは別に不思議ではない。日本のゴルファーのスタイルの方が余程不思議なのだ。最近少しはマシになってきたように見えるが、まだ道具に関しては異常さが目立つ。私が作っているアイアンは曲がりにくい。飛ばない。誰も使いたがらない。変な私が言うのも変だが、飛ばなくても曲がらない方がいいじゃん、と思わない日本人ゴルファーを私はずーっと変だなぁと思っている。 筆者











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