« 0661 ゴルフクラブの肩書き(数値)にやられていませんか? | トップページ | 0663 クラブの数値、知っていいこと、いけないこと »

誰かが、「10年前のアイアンと今のアイアンでは性能が段違いです。」と言っているのを聞いた。新しいのを買え、ということのようだ。アイアンに限らず、ゴルフクラブの性能というと飛距離に尽きる。5番アイアンが300ヤード飛ぶようになっても、曲がり方は昔と変わらないのだから、スコアは良くならない。



真っ直ぐ飛ぶようなアイアンを作ろうとすれば、飛距離が落ちる設計になる。飛距離が落ちて真っ直ぐ飛ぶのではない。道具自体の性質が、真っ直ぐ飛ばそうとすれば飛ばない形状になるのだ。だからまず、キャヴィティのようなすごく飛ぶクラブを開発して、次にその形状の利点の減少を最小にとどめながら、曲がらない形状へ作り替える。そうすると10年前よりよく飛んで、しかも着地地点での左右のブレの幅が小さくなる、というアイアンが作れる。



ただし、せっかく10年前より2番手遠くに飛ぶようなアイアンを作っても、曲がらないデザインを組み組めば、1番手の違いに落ちてしまう。素人がどちらのクラブをいいクラブだと思うか、目に見えている。メーカーはそれを知っている。素人は、曲がってしまえば、それは自分のスイングのせいだと思うから、飛ぶ方を買う。



プロや上手なゴルファーは自分のスイングを良く知っているので、クラブによる曲がり方の大小に気付く。上手なアマチュアは頻繁にアイアンを新しくはしない。飛距離しか見えない下手くそだけが、最新の、前より少しでも飛ぶアイアンを欲しがるのである。しかしそれでスコアは良くなっていない。



スイングは進歩しているだろうに、それに連れて飛距離的に進歩したアイアンを使うものだから、結局同じ距離を打てば同じ曲がり幅になって、自分のスイングの進歩に気付かない。ただ5番でやっとの距離が6番で悠々届くようになったと喜んでいるだけだ。池を越えた5メートル先にピンがある場合など滅多にないのに。



男子プロがまだキャヴィティを使わないのは、まだ方向性が悪い、コントロールが利かないからだろう。女子プロはたぶんキャヴィティだと思うが、それは女子プロにとって飛距離が大事だということもあるが、そもそも男子プロに比べてヘッドスピードが遅く、キャヴィティでもコントロール出来る範囲にあるからだ。



飛ぶアイアンが何時から男子プロに支持され出すか、その時期はわからない。もしかするともっと別の方角から、男子プロが使うアイアンが登場する可能性だってあるだろう。私はアイアンの改造を30年やって来た。ヘッドの先を、ブレードの先端からフェイスのセンターの上方へ斜めにカットして、二等辺三角形のアイアンを作ると、ボールは劇的に飛ばなくなり、打った感触がなくなり、しかし真っ直ぐ飛ぶようになる。



これはベンホーガンの思想を極端にして見せた場合だが、曲がらないアイアンというのは常にこういう方向にある。ブローニングが作ったパターのような形状のアイアンもまた、同じ思想の範囲にある。アイアンに電気仕掛けとか可動部を作ることが許可されない限り、曲がりにくいアイアンのデザインは科学的に言ってベンホーガンを越えない。



心理的な方向では幾らか余地を残す。打ちやすそうなアイアンというのは曲がりにくくなるだろう。重いアイアンも曲がりにくいが、飛距離が落ちるし、これは心理的というより科学的な理由に属する。ウッドは飛ぶ方がいいが、アイアンは飛ばなくても使い慣れたものを使い続けた方がスコアは良くなる。お忘れなく。 筆者

ウッドを手にする距離では方向は大体でいい場合が多い。だから飛ばないアイアンが十分使えるところまでウッドで運び、そこから楽に使えるアイアンを使う、というのがアマチュアのセオリーである。無理な飛距離をアイアンで打ってもいいことはない。ウッドを3回使ってでも、無理なアイアンは使わない。飛ばない私のゴルフはそうやっている。

« 0661 ゴルフクラブの肩書き(数値)にやられていませんか? | トップページ | 0663 クラブの数値、知っていいこと、いけないこと »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 0661 ゴルフクラブの肩書き(数値)にやられていませんか? | トップページ | 0663 クラブの数値、知っていいこと、いけないこと »