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ゴルフスイングはクラブフェイスの向きが問題だ。そしてそのクラブフェイスはバックスイングで開いていき、ダウンスイングで閉じてきて、インパクトでスクエアになり、さらに閉じていく。そう書いた。パターも同じだった。


パターフェイスの向きの変化はシャフトが長いほど小さい。普通のゴルファーは長いシャフトの方がいいということになる。無理に長いと打ちにくいと思うが。無限に長いシャフトを考えると、フェイスの向きはほぼ常に目標を向いている。だからパターのうまさだけで勝てるプロゴルファーには棒立ちで打つ人が多い。



レコードプレーヤー、と言ってもこの頃は知らない人もいるだろうが、あれは回る円盤の上に針を乗せて、レコードの溝に刻まれた凹凸を拾うことで音を再現している。円盤の一番外と一番内側では直径が違う。針は棒の先に取り付けられていて、その棒は一点に固定されている。



したがってレコードが音を再現しながら時間がたてば、針はだんだんと円盤の内側に移動する。そうすると針と円盤の溝の角度が直交しなくなる。それでは溝に対して斜めになってしまうので、いい音が出ない。それでレコードプレーヤーの棒、アームと言うが、それがS字型になって気分的にうまく行くように工夫されたりした。



理想はアームが無限に長い方がいい。パターやアイアンと同じことだ。長ければ長いほど、回転に対してフェイスの向きの変化は局所的に、つまりインパクトの前後で小さくなり、長さが無限ならほとんど常にスクエアに打てる。レコードプレーヤーも同じことを考えたが、棒が長くなると重くなる。



バランスを取り付けても全体の重量が重ければ、慣性の法則が大きく影響して棒の先の針は円盤の内側へ進もうとする力が強くなってしまう。棒が無限に長ければ棒はレコードの溝に対して常に接線方向だから、溝に対しては完璧な角度を保てるのだが、この慣性の法則があるため、長いアームはボツになった。しかし高級品のアームは一般的にかなり長かった。


ちなみにレコードを作る装置もレコードプレーヤーと同じ仕掛けで、針の代わりに盤を削るカッターのようなものが付いているのだが、レコードプレーヤーと違ってこのアームには軸がない。盤に対してアームが平行に移動しながら動く。これならカッターの刃はいつも円盤に対して直角、接線向きになる。



レコードが流行した最後の頃にはプレーヤーにもこれと同じ仕掛けの、リニアトラッキングアームの付いたのが売り出されたが、高級品としては販売されなかった。私も記念に一台持っているが、やはり普通のプレーヤーの方がなじみ深い。



ニクラウスのように、かがみ込んでボールに覆(おお)い被さるスタイルを最近見かけなくなったのは、ゴルファーがみな、科学的な裏付けのある方向へ走っている状態だからだ。それだけ個性がなくなったとも言えるが、それよりも同じ土俵で戦うことの愚かさに気付かなくなったと言う方が当たっている。それでは勝つ奴は決まってくることに気付かない。



レコードプレーヤーのS字型アームは杉原輝男プロのパットスタイルに通じている。両ヒジを曲げて、バックスイングの時のフェイスの開き具合を小さくし、ボールを打ったあとのフォローでも、出来るだけフェイスの向きをシャットにしないような工夫をしていた。普通のプロゴルファーはどうしているか。



普通はバックスイングでは無理をせず、普通に引く。だからフェイスは普通に開いていく。ところがダウンスイングからインパクトで閉じてきたフェイスを、インパクトの直後から突然スクエアを維持すべく、閉じないようにフォロースイングをする。これは無理と言うか異常な方法だが、これが一般的であり、普通だ。



一部のプロは自然にまかせている。自然にまかせるのでパターフェイスは閉じていく。この場合にボールが左へ引っ掛かりやすい度合いを左右するのはパターのロフトで、ロフトが大きいほど引っ掛けやすくなる。パターのロフトは大体3度から4度と決まっているが、構え方や打ち方で大きく違ってくる。



引っかけの多いゴルファーはロフトを大きくした状態で打っている。だから市販品よりもロフトの小さなパターを作って使うと効果がある。作れない人は今までよりもシャットに構えて打てばいい。ただし、この場合ボールの勢いが今までよりも大きくなるので、練習が必要だ。



ボールを打ったあとのパターフェイスをスクエアに保つという作業は不自然だが、これをテクニックだと思っているゴルファーもいるに違いない。確かにすごいテクニックである。一方、自然に振って真っ直ぐ打てるのは才能である。だから不自然でも努力次第で真っ直ぐ打てる方がいいのかも知れない。



パターは距離によって性能が変わる。これは前に書いてある。一本のパターと一人のゴルファーにとって、同じスイングを使って必ず入る距離はただ一つしかない。距離に関係なく入るパターは科学的には作れない。


真っ直ぐのラインだけ考えた場合、距離が20センチ違うごとに、それに合った、違ったスイングをしなければボールは真っ直ぐ出ない。力加減を変えただけでは真っ直ぐに転がってくれないのだ。



現代的な最新のパターも、立体的に作ることでそれまで調整できなかったいろいろな性能を自由に設定出来るようになっているが、それでも基本は変わらない。距離が変われば、同じスイングの力加減を変えただけは真っ直ぐ打てない。



L字のお尻にしっぽを付けるとバランス型パターになる。さらに今はオデッセイに代表されるパター、ヘッドの奥行きが大きなパターがあるが、それは前後のバランスだけでなく左右のバランスも自由に設計するためである。進化したバランス型ということだ。



どんなパターが発明されても、道具の規定、ルールがある以上、完璧なパターは作れない。しかし完璧なパットを身につけるゴルファーというのは不可能なことではない。最高のパターが完璧なパットを実現するゴルファーを生み出すのではない。むしろ逆だ。 それがゴルフだ。筆者

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