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今回使用したドライヴァーは女性用のヘッドに男性用の普通のシャフトを差し込んだもので、無論一度も使ったことはなかった。1年間のブランクの間に作ったクラブの一本である。重さが308グラム、長さは47インチ弱。



今まで使ってきたドライヴァー、と言ってもシャフトを差し替えたりヘッドを替えたりと、同じものは一つもないが、長さや重さ、バランスはほとんど変わっていない。大体410グラム前後で収まっていた。



1年のブランクがあっても、重さが410と308と大きく違っていても、飛距離は変わらなかった。初めてのコースだったので絶対値の比較は出来なかったが、同伴者は去年の9月に一緒にプレーして、その日に彼から「90打ったらゴルフやめるって言ってたよね」と言われてやめたわけで、彼の飛距離はわかっている。



ドライヴァーはいつも私とほとんど同じ飛距離を打っていた。今回も大体同じところへボールが落ちたから、相対的にクラブが軽くなっても飛距離に変化はなかった。ただ安定感が全くなく、それが長期のブランクのせいか、クラブの軽さのせいかはまだわからない。



私のスイングは何の変哲もないスイングで、ただゆっくり引いてフェイスの真ん中でボールを打つことだけ考えてたたく。飛ばそうという気分では振らない。ただ普通のゴルファーと違うのは手首の使い方で、私はバックスイングの時、左手首を甲側に折らない。



テンピンボーリングのプロが手首にはめている甲冑(かっちゅう)のようなサポーターがあるが、あれはたぶん硬いもので出来ていて、手首が甲側に折れ曲がらないようになっている。手首を守る意味なのか、それともスイングを安定させるためのものか、それは知らないが、私の左手首もそういうサポーターが付いているかのように動かす。



手首が甲側に折れて初めて手首のパワーが使える。野球のバットを肩に担いだとき、誰でも左手首は甲側に折れて、ピッチャーの方を向いている。もしもこの時左手の甲が自分の胸と平行になっていたら、手首の返しが使えないからボールは飛ばない。



だから普通のゴルファーはバックスイングのトップで左手首が目一杯甲側に折れ、その手首をダウンスイングで急激に、ショートカットして切り返す。つまりバックスイングでの手首の動き具合とダウンスイングでのそれが同じではなくなる。だからボールが飛ぶ。



こういうスイングではクラブは軽いほどいい。軽いほどスイングは自動的に速くなる。ドライヴァーが軽くなるのはいいことなのだ。しかし、スイングが速くなるだけでなくヘッドの回転も速くなる。インパクトでフェイスが真っ直ぐボールに当たるようにするにはシャフトの性質を考え、あるいはスイングに合った、ちょうどインパクトでフェイスが目標を向くシャフトを用意しなければならない。



スイングが安定しているプロはいいが、ちょっとでもスイングが違えば、ボールはどこへ飛ぶかわからなくなる。アマチュアには大変なことだ。私はそれを避けるために手首を甲側に折らないスイングを使ってきた。いくらかスイングのリズムが壊れても、タイミングがズレても、大けがにはならない。その分飛ばないけれど。



ダスティン・ジョンソンは私同様に左手首を甲側に折らない。それどころか手の平側に折っている。普通ならひどいドローになるはずだし、距離も出ないはずなのだが、彼のあの飛距離は不思議だ。どこか別のパワーを使っている。ずっと前に、似たようなスイングをしていた野球選手がいた。近藤和彦。


大洋ホエールズの偉大なバッターだったが、同期に天下の長島茂雄がいたのでタイトルは何でも2位だった。それで地味な印象がある。浜の大魔人佐々木投手の所有馬にもいた。ジェンティルドンナという大魔女がいたため、何でも2着だった。あれがいなければ間違いなく3冠馬どころか5冠馬になっていたわけで、運が悪かった。ヴィルシーナ。



近藤和のスイングは天秤打法と呼ばれたかなり変則な打法だが、バットを寝かせて構えるので右手首(彼は左打ち)は返さないで構える。そこに高打率の秘密があった。首位打者のチャンスはことごとく持って行かれて2位ばかりだが、彼は一つの大記録を持っている。単打王8回。つまり一塁打を打つ量が8年も日本一だったのだ。飛ばないがバットの芯で打つ。


スイングが弱い分飛ばないが、バットの芯で打つからヒットになる。スイングのパワーが弱くてしかも芯で打つからバットが痛まない。1本のバットを4年間使い続けられた。4年間、一度もバットを折らなかったということだ。これはすごい。もう一人、手首を甲側に折らないバッターがいた。張本。



張本選手の打法については以前にも書いた。彼は近藤和と違って怪力だったため、ホームランも打った。その気になってスイングを変えれば、ホームラン王も楽勝で手に入れられただろうが、彼はそれをしなかった。自分のスイングにこだわったのか、あるいは安定した生活を第一に考えたのだろう。



張本選手のスイングは素晴らしいもので、構えたときに必ずヒットが打てる感じがした。どの方向にも、どの深さにも打てる、構えた瞬間、そう思えた。ヒットにならないときはただ運がなかっただけなのだ。ピッチャーはさぞ怖かっただろうと思う。



彼のスイングはコンパクトで、体は微動だにしない。バットだけが水平に動き、真芯でボールを捕らえた。右手首(彼も左利き)は甲側に折れず、まるでバットがテニスのラケットのように動いた。テニスのバックハンドでトップスピンを打つとき、ラケットを引いて構える、その形と同じだった。バットが振りかぶるようなスタイルではなかった。



普通のゴルファーのトップオブスイングは、テニスで言えば、バックハンドでスライスを打つときの手首の形、つまり手が甲側いっぱいに折れている。テニスのスライスでは手首はそのままロックされて切り返すことなくスライスを打つのだが、ゴルフの場合はそこから手首を切り返してパワーを出す。



ちょっとゴルフスイングの話から外れるが、両手打ちのバックハンドでトップスピンを打つとき、バックスイングのトップでラケット面は腰のあたりに下向で構えられている。そこから真っ直ぐ振り出すのだが、世界のトッププロの中に例外がいた。これを書きながらハッと気付いた。



ゴルファー同様の打法、つまり左手首を甲側に折ってバックスイングを取りながら、切り返しを使ってスライスではなくドライヴを打っていたプロがいた。世界一になったほどのプレーヤーだが、スイングはバッティング打法とか言われて何となく変則な感じがしていた。


あれは右手首(バックハンドなので)の切り返しを利用してパワーを稼いでいたのかも知れない。ゴルフと同じ打法を使っていた可能性がある。ジム・クーリエ、アメリカのプロ。 筆者

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