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ある時、ゴルフをする知り合いが、使わないシャフトがあれば一本くれないかと言ってきたことがあった。何をするのか訊(き)いてみたら、それで素振りをすると言う。そういう練習方法があるのだそうだ。


去年の暮れだと思うが、日本のツアーにアメリカのツアープロが出場していたのを偶然テレヴィで見た。前に書いたが、そのスイングの速さに衝撃を受けた。まるでシャフトだけ振っているのと同じ速度だった。普通の人がやっても、ヘッドの付いたドライヴァーをあの速さで振ることは出来ない。


クラブ、特にドライヴァーがどんどん軽くなって、もうこれ以上軽くするとボールの重さに対して不利になる、というところまで来た。道具の製造技術はそこまで到達したのだ。それからは、シャフトの硬さやねじれ具合を利用して飛ばす方へ、技術の矛先が向けられた。


商売だから何としても売りたいわけで、大昔の理屈を掘り返して再び商売にしようというのだろう。それはともかく、そのアメリカ人プロのスイングの速さと飛距離は圧巻だったのだが、飛距離といえば必ず出てくる伝説の飛ばし屋、といえばジョン・デイリーで、その彼のスイングはちっとも速くなかった。


デブだから体重で飛ばしているのかと思えるほど、スイングはフツーで、ただシャフトが柳の枝のようにしなって、体に巻き付いている感じがした。彼はレディースシャフトを使っていると言われていた。本当かどうかはともかく、それに近い柔らかなシャフトには違いない。

ヘッドの付いていないシャフトだけの素振り、というレッスンを発明した人は偉い。スイングのスピードで飛ばすには、実際にそのスピードで振ってみるのが一番だ。しかしヘッドが付いている本物のクラブではとてもそんなイメージはつかめないが、シャフトだけならビュンビュンと、そのアメリカのプロ並みに振るのは簡単だ。


ところで、私は「スイングスピードとヘッドスピード」というタイトルを書いている。これを今、別の表現で書き換えるとすれば、このタイトルになる。エンジンの回転数はスイングスピードである。私のスイングを見た人はみな、ブルドーザがものを運ぶような、ドドッという、単純なスイングだと感じるらしい。


ギアがないか、あるいは同じギアを使っている限り、2000回転で走るより、5000回転で走る方が速いが、5000回転だとものすごいエンジン音になって、エンジンが壊れそうな気がするかも知れない。私のスイングにギアはなく、エンジン直結になっている。だから素朴で簡単なのだと思うが、エンジンの回転数なりの速度しか出せないし、それより速くしようとすると体が壊れる。


一方、スイングはそれほど速く見えないのに、いやに飛ばすゴルファーがいる。それはギアを何段も持っていて、それを使っているからだ。私のスイングに比べればずっと高級なのだ。だから飛ばせる。このギアボックスが、ドライヴァーで言えばシャフトのしなりとねじれに該当する。


5速オーヴァードライヴで走っていると、時速100キロでもタコメーターの針は2000回転である。1速、つまりギアをローのままで時速100キロ出そうとすれば、2000GTRのエンジンでも壊れる、んじゃないかと思うが、詳しいことは知らない。ドライヴァーが軽くなって、とうとうかの圧巻のスイングスピードで打つタイプのプロゴルファーが出現したわけだ。


しかしアマチュアの現実としては、やはりギアをうまく使う方法以外に、飛距離を稼ぐ手はない。それでこの頃はシャフトが妙に柔らかくなり、トルクも5.5などという大きな数字になり、シャフトは細いバネのようなイメージになってきた。バネだから当然しなるが、そのしなり戻りで飛ばすだけではない。


このバネシャフトは今のところ時計回りに巻かれていて、ダウンスイングが始まると一度バネは緩んでくる。ゼンマイはぎゅっと巻いたところから、その戻りで仕事をするのだが、シャフトバネは逆で、元々ぎゅっと巻いたような状態で平衡状態になっている。ダウンスイングでヘッドが動き出すと、バネは開く方向に力を掛けられていく。


そしてインパクトのあたりで、無理に開かされたバネが元に戻ろうとしてぎゅっと絞られる方向に動き、それがボールをたたくパワーになる。将来的にこのバネの巻き向きは逆になるかも知れない。パワーは少し劣るけれど、動きは安定する。


こういう話は全て、スイングの性格に依存しているわけで、つまりあなたの頭の中にバネがあり、そのイメージにふさわしいシャフトを、あなたは探し求めている、ということだけだ。 私自身はギア付きのスイングをしようとは思わないので、ただ硬くて動かないシャフトがいい。筆者

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