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捕まりの悪いアイアンを求め続けて

この30年というもの、私はひたすら真っ直ぐ飛ぶアイアンを作ろうと努力してきた。その結果が今使っているアイアンセットなのだが、このアイアンの物理的な数値を見ると、一言で言えば「異常」なクラブである。



まず第一に、今の言葉で言う「重心角」、私がゴルフ屋さんの棚に並べられたアイアンヘッドが皆斜めに傾いている、と表現した角度が普通と違う。この角度はアイアンでは12度程度が普通らしいが、私が長年使って来たイージー・スワンは逆方向に13度もある。


重心角という用語にプラスマイナス表示がないことから考えてみても、マイナスになるクラブなど、あり得ないのだろう。しかし私はこのアイアンでずっと普通にゴルフをしてきた。この角度がプラスに大きくなるほど、ヘッドのキックが大きくなり、ボールを抱え込みやすくなる。


釣り針はホック状になっていて引っ掛けるのだが、この引っ掛ける角度が少なくて、滑り落ちてしまう感じだろうか。いわゆる捕まりの悪い形状になっている。非常に悪いと言った方がいいほどの角度だと思われる。


思うに、これをトーナメントプロに打ってもらえば、彼らはその振った感じからスイングを調整して真っ直ぐは飛ばすだろうが、距離は出ない。アマチュアやアシスタントプロに打ってもらうと、スライスする。道具を自在に操り、状況の違いを的確に把握するトーナメントプロの実力がそこに出る。


第二に、このアイアンは逆グースになっている。今の用語ではプログレッションと言う。これもまたプラスマイナスがないようで、5と言えば5ミリソールが右へ引っ込んだグースネック、ということらしい。私のはプログレッションが逆の10程度になっている。


この値がショットにどう影響するかは不明だが、初心者がグースネックに安心感を持つという事実は、ショットに慣れてくるに従い、上手になればなるほど、ゴルファーのショットはスライスからホックに変化していくのが普通だから、逆グースはどちらかと言えば上級者向きで、ホックしにくい形状だということが予想される。



第三に、私のクラブは元がベン・ホーガンで、しかもバランスを調整する関係でトウの方を縦にカットしてある。ヘッドが小さいのである。ホーガンのアイアン自体、ネック側に重さを持ってきているわけで、先は重くない。その上に先をカットしたのだから、いわゆる「重心距離」が非常に短い。


もうこれらの要素を考えれば、徹底的に打ちにくいアイアンになっているはずなのだが、ちっとも打ちにくくない。私は普通のアイアンを振ってもほとんど困らない。ただ自分のアイアンの方がいくらか打ちやすいだけだ。


ということは、イージー・スワンは数値だけ見れば恐ろしげなアイアンだが、実際は普通のアイアンとあまり変わらないのだと思う。飛距離が出ないことと、曲がりにくいことが、私が改造してきた何十年の結果として、そこにある。微妙な違いだが、アマチュアのゴルフとしては、大きな違いなのである。 筆者



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